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教導立志基 九 藤原在衡
キョウドウリッシノモトイ 09 フジワラノ アリヒラ
作者名
芳年 (大蘇 芳年)
作者名ヨミ
ヨシトシ (ダイソ ヨシトシ)
代表明細・シリーズ名称
教導立志基 フジワラノ アリヒラ
落款等備考
應儒年方
制作者備考
松木 平吉
印章等
御届
印章注記
時代区分
明治18年
西暦
1885
形態
間判
種別1
木版浮世絵
種別2
明治の錦絵
種別3
内容1
物語画 人物画 教訓画
内容2
歴史 逸話 偉人
内容3
藤原在衡 蓑笠 長靴 築地塀 暴風雨 従者
追加情報
テーマ
具体物
位置付け
画中の文字・文章
備考
藤原在衡は平安中期の官僚であり、左大臣にまで出世した人物。官僚として、朝廷への参内を一日も休まなかったという忠勤ぶりを,暴風の中での出勤で強調している。明治になって朝廷への忠誠が、広く国民に呼びかけられだした反映である。
暴風雨のなか、朝廷に参内する藤原在衡である。紺と赤の狩衣(かりぎぬ)の上に蓑と笠を着け、長靴をはいて風雨に耐えて歩を進めている。後ろには、幼い従者が編笠を手で押さえながら従っている。背後には、きちんと屋根をふいた築地塀が見えており、朝廷の門も近いようだ。画面を斜めに走る線が、風雨の激しさを表現している。
「教導立志基(きょうどうりっしのもとい)」は明治18年頃から5,6年間にわたって刊行された教育画で、さまざまな人物の逸話から志を立てることの重要性を説いている。全部で53枚とされ、芳年・国周・清親など、当時の代表的絵師が参画している。スマイルズの『西国立志編』が中村正直の翻訳で大評判となったのを受けて、日本人の立志伝をとまとめたものである。人物も著名な偉人ばかりでなく、ミドルクラスの刻若勉励や自主自立のための自己努力を中心に人選してある。元就・家康の幼年時代を紹介したり。内侍・静・秋色など才能ある女性を取り上げたところに明治らしさが感じられる。
藤原在衡(ありひら)は村上天皇の時に官を累(かさ)ねて左大臣に昇進す 在衡職に在て未だ一日も朝参を廃せしことなし 或日風雨暴烈にして 朝参する者一人もなく 左衛門吉上相語(あいかたっ)て 日勤 恪(かく)なること 在衡のごときも また朝参に艱(なや)まると 言畢(ことばおわ)らざるに蓑笠にて来る者あり 之を視れば則(すなわ)ち在衡なり 時人(じじん)其職を緩(ゆるが)せに為(せ)さざるを歎稱せりと 英斎述
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