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夏姿  母と子 ナツスガタ ハハトコ

夏姿  母と子 

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作者名 春信  (鈴木 春信)
作者名ヨミ ハルノブ  (スズキ ハルノブ)
代表明細・シリーズ名称
落款等備考 鈴木春信画
制作者備考
印章等
印章注記
時代区分 明和4~5年
西暦 1767-1768
形態 中判 
種別1 木版浮世絵
種別2 錦絵
種別3
内容1 子ども絵 人物画
内容2 母子絵
内容3 育児 母 子ども(幼児・少女) 折り手本と風呂敷包み ほおずき 将棋盤 くくり猿の団扇 腹かけ 麻姑の手 

追加情報

夏の家庭での日常生活を、母と幼児、娘を中心に描いている。愛情こまやかな育児ぶり
だけでなく、赤い腹掛やくくり猿の団扇からも、母の我が子への想いが伝わってくる。
中央では赤い腹掛の幼児が夏着の母に抱かれている。この腹掛は、江戸時代になり
中国から伝わった子ども着である。団扇に描かれた赤いくくり猿は、子どもの身代り
となって厄災を防ぐとされる。孫の手(本来は麻姑の手)も、くくり猿も中国から伝来
したとされる。娘の足元には、手習のお手本である折り手本を風呂敷包に差してあり
寺子屋帰りであろう。ほおづき、ケイトウの鉢植、庭の竹、すだれなども、きちんと
描いてある。ただ、遠近法は消化してないことがたたみや廊下の描写から分かる。
左の盤は枡目から将棋盤である。
春信は錦絵の創始者であり、これも錦絵初期の作品だが、すでに母子絵がテーマに
なっていたことが注目される。また明和期の夏の日常生活の様子もよく読み取ることが
できる。
赤い腹掛けをしたおさな子をやさしく抱く母。うすものをまとった母も窓にすだれを下ろし、
日中の暑さを避けて昼寝をしていたのだろうか。寺子屋がえりの娘もうちわ片手に
あやしている。うちわの絵柄はくくり猿という子どもの健康を念ずる人形。腹掛けもくくり猿も
赤は魔除けの色とされている。娘の足元には寺子屋の教科書を包んだ風呂敷包み。
少女が遊ぶほおづきが添えてあるのも季節の風物誌。廊下の植木鉢に咲くケイトウの花も
晩夏を感じさせる。部屋の片隅に見える将棋と孫の手は父親の存在を暗示している。
障子を開ければ竹の葉が涼しい風を送ってくれそうだ。一服の清涼剤のような画面である。
春信描く人物は少年少女のような無垢であどけない表情で細身の姿態は、明和期の絵暦
ブームを主導した俳諧趣味人の大久保巨川の好みであった中国は英仇の描く女性である。
これが受け入れられて世は春信一色になったのだった。

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