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時世百化鳥 風車にみみずく
ジセイヒャッカチョウ カザグルマニミミズク
作者名
国貞 (香蝶楼 國貞/歌川 国貞/三代 歌川 豊国)
作者名ヨミ
クニサダ (コウチョウロウ クニサダ/ウタガワ クニサダ/3ダイ ウタガワ トヨクニ)
代表明細・シリーズ名称
時世百化鳥
落款等備考
香蝶楼國貞画
制作者備考
川長
印章等
極 版元
印章注記
時代区分
天保初期
西暦
1830-1835
形態
大判
種別1
木版浮世絵
種別2
錦絵
種別3
内容1
子ども絵 人物画
内容2
母子絵 美人画 こま絵(風車、みみずく)
内容3
育児(授乳) 母と子(乳児) 化粧 だるま 立ち姿の犬張子 鏡台 仙女香
追加情報
テーマ
具体物
位置付け
画中の文字・文章
備考
時世百化鳥は、こま絵に鳥の玩具を描き、美女と組み合わせた揃物である。時世は
当世とか今様といった意味であり、当時はやりの鳥の玩具と女性の姿を組み
合わせているが、両者にあまりつながりは感じられない。母と子の日常生活の
様子はよくうかがえる。
鏡台に向かい、自ら髪を結う母のひざで、乳房をはなさない赤ん坊である。
忙しい母と子の日常生活の一こまだが、側に置かれた玩具からも子どもへの
愛情がうかがえ、また育児とともに身だしなみをも忘れぬ母の姿が描写されて
いる。手前の立ち姿の犬張子にはでんでん太鼓を生麻で結び付けてあり
宮参りの際に親戚から贈られたものであろう。鏡台には赤いだるまが映り
上部には化粧品仙女香の袋が見えている。
これも国貞の絵である。国貞は後に豊国三代となるが、国貞を名乗った頃に
凄艶(せいえん)な芸妓などに技の冴を見せ、美人画を中心に膨大な作品を
残している。
時世のつく美人画の揃物も、五渡亭時代に「薄化粧」や「江戸鹿子」があり
天保になっての香蝶楼時代にはこの「百化鳥」がある。
百化鳥のシリーズは、鳥の玩具のこま絵に美人画を組み合わせたもので、
ここでは赤い風車とみみづくの玩具に、子に授乳しながら鏡に向かって化粧
する母を描いている。赤い風車も寿の字を入れたみみづくも、疱瘡除けの玩具で
あり、犬張子も赤いだるまも、子どもが元気に育つように願った縁起物の玩具だ。
鏡台に、背を向けただるまの顔が映り、面白い効果を出しているが、赤ん坊の
ポーズも、母が頭上で元結(もとゆい)を結ぶ手つきも、全く同じものが歌麿の作品に
ある。違いは、歌麿の作品ではもう一人の女性が母の背後から子をあやしていたのを
とっただけだ。
母と乳児の日常生活を描いた作品。歌麿にも同じ構図の作品がある。
こま絵「風車(かざぐるま)にみみずく」
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