シリーズ名が「職人の子ども」と付けられているが、画中には記載がなく、仮のシリーズ名である。さまざまな職種の庶民の子どもが描かれているが、特に親の職業と関係ない子ども風俗もある。

「夢中にうなされるこども」とあり、ふとんで寝ている子が、夢を見てうなされている。夢は、昼間外で遊んでいて、酒びん集めの小僧からいじめられた場面を見ているようだ。投げた下駄もそのままに、退げている。子どもの掛けぶとんは、袖と襟のついた大形の着物のような形で、綿の入った「夜着」である。夏用の綿の洗い夜着を「掻巻」と呼ぶ。

明治３０年頃の子ども風俗（日常生活、遊びなど）がうかがえる。

豊原国周（天保６～明治３３年）豊原周信、歌川国貞の門人で、役者大首絵や人画を得意とした。門人に楊洲周延がいる。