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右大将頼朝之姫君由井ケ浜行列ノ図
ウダイショウヨリトモノヒメギミユイガハマギョウレツノヅ
作者名
国貞 (香蝶楼 國貞/歌川 国貞/三代 歌川 豊国)
作者名ヨミ
クニサダ (コウチョウロウ クニサダ/ウタガワ クニサダ/3ダイ ウタガワ トヨクニ)
代表明細・シリーズ名称
右大将頼朝之姫君由井ケ浜行列ノ図
落款等備考
香蝶楼國貞画
制作者備考
印章等
版元
印章注記
時代区分
天保頃
西暦
1830-1844
形態
大判
種別1
木版浮世絵
種別2
錦絵
種別3
内容1
風俗画 人物画 子ども絵
内容2
歴史 名所 子ども見立絵
内容3
大名行列見立 姫君 駕籠 先箱 薙刀持 長柄傘 大鳥居 鴨
追加情報
テーマ
具体物
位置付け
画中の文字・文章
備考
鎌倉幕府を開いた源頼朝の姫君による鶴岡八幡宮参詣の行列だが、一行をすべて女性で描いた見立絵である。場所は、相模湾に面した美しい由比ヶ浜であり、行列は海辺を左折して、若宮大路に入るところだ。
姫君の行列は、ほぼ大名行列をなぞった編成であり、先箱(挟箱)や槍持・薙刀持・傘持が先頭集団で、中央には姫君の乗った豪華な駕籠があり、白い衣装の女官にかつがれ、長柄の傘が差し掛けられている。駕籠の後には、赤い袋物を捧げ持つ少女や、茶弁当の両掛をかつぐ女中がおり、最後の小僧を連れた人物のみ腰に両刀をさしている。駕籠の屋根をはじめ、傘・挟箱・武器袋などには赤地に黄色で源氏の定紋・笹竜胆が染め抜いてある。一行は鶴岡八幡宮の大鳥居をくぐっており、相模湾の波が打ち寄せる松並木の彼方には、青い海と朝焼けの空が広がっている。姫君を歓迎するように、丹頂鶴も群れ舞っている。この鶴は、頼朝が鶴岡八幡宮での放生会に際して千羽の鶴に金の短冊を付けて放ち、捕獲を禁じた故事を反映している。
美しい鎌倉の由比ヶ浜を舞台に、姫君の優美な行列は、この錦絵を手にした少女たちの夢とあこがれを満たしたであろう。絵師の国貞は、この絵を描いた文政期に『偐紫田舎源氏』の挿絵が大好評で、以来、錦絵でも華麗な大奥を舞台にした源氏絵を出して人気を得た。本作は、いわば子ども版の源氏絵であり国貞ならではの見事な出来映えである。なお、子どもの大名行列も鶴岡八幡宮の鶴の放生会も、歌麿に先行作品がある。
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