清長(鳥居 清長)
玉花子の席書
天明3年 (1783)
資料名1
玉花子の席書
史料名1よみ
ぎょくかしのせきがき
史料名Roma1
gyokukashinosekigaki
絵師・著者名
清長(鳥居 清長)
Creator
落款等備考
清長画
板元・製作者
西村屋与八 @
制作年和暦
天明3年
制作年西暦
1783
書誌解題
資料名1
玉花子の席書
資料名2
史料名1よみ
ぎょくかしのせきがき
史料名2よみ
史料名Roma1
gyokukashinosekigaki
史料名Roma2
Title
Alternative title
シリーズ名・代表明細
玉花子の席書
絵師・著者名
清長(鳥居 清長)
絵師・著作者名よみ
きよなか  (とりい きよなが)
Creator
管理No.
00000797
管理No.枝番号
落款等備考
清長画
板元・製作者
西村屋与八 @
彫摺師
制作年和暦
天明3年
制作年西暦
1783
制作年月
書誌解題
判型・形態
大判
印章の有無
版元2
印章内容
複製フラグ
種別1
木版浮世絵
種別2
錦絵
種別3
内容1
子ども絵 人物画
内容2
手習い絵 美人絵 母子絵
内容3
習字 少女
テーマ
実在した天才少女書家が席書する場面を描写した作品で、当時話題の人物
出来事に題材をとったいわばニュース版画(時事絵)である。しかし、流れるような
着物の線描で八頭身美人図を完成させた清長が、その名声を確立した時期の
作品だけに、浮世絵としても見事なできばえである。
具体物
たすきがけで、緋毛氈に座り、これから筆を下ろそうとする玉花子の前には籵紙が広げられ、文鎮で止めてある。その右側には筆立て、硯、落款印などが用意され左側には祝儀の菓子折も届いている。
背後には、高杯の菓子盆を持つ姉娘が立ち、緑の小桜小紋を着た母なのか、師匠なのかが座って付き添っている。
上部には、鴨居から下げられた筆や扇面の書が並び、左の額には心願を立てての席書の由来が示してある。
Comments
位置づけ
天明期に話題になった少年少女の書家を題材にした、清長の代表作の一つ。
少年は源成之で、公文はこの両作品を所蔵している。
讃・画中文字
玉花子の席書
江碧鳥逾白。山寿華欲然。
九歳女 玉花子書


九歳女 玉花子書
…生風
…女 玉花子書

江戸築地水中より出現之千手観世音、浅草新堀端清水寺ニ奉安座、観世音え心願ニ付、御開帳中於此処ニ、一万牧(枚)筆道席書修行仕候。
卯三月
麹町九歳女玉花子栄茂
浅草俵町三丁目玉花扇
清長画
(山形に三つ巴紋の商標は西村屋与八)
(小泉吉永氏翻刻)
自由記入欄
こちらは九歳の少女書家玉花子(ぎょくかし)である。当時、書家は中国風に姓を一字に
して、音読みにする風習があった。
背後の額に「江戸築地水中より出現之千手観世音、浅草新堀端清水寺ニ奉安座
観世音之心願ニ付、御開帳中於此処ニ、一万枚筆道席書修行仕候。
卯三月 麹町九歳女 玉花子栄茂」とある。このことから『武江年表』の天明三年
(1783年)の項に記された「三月十八日より六月八日迄、浅草寺観世音開帳」中の
できごとだと確認できる。
書は技にとどまらず自己修練だとされたが、御開帳中の八十日ばかりの間に心願を
立て一万枚を揮毫するとはすごいことだ。ただ、新井白石は自伝『折りたく紫の記』
によると、同じ九歳の冬に、ねむくなると水をあびながらも一日四千字を書いたとある。
江戸の少年少女たちの猛勉強ぶりは、今は卓球少女の練習くらいにしか見られない
ようだ。
史料分類
絵画