
妙でんす十六利勘 多弁損者
天保14年から弘化3年 (1843-46)
- 資料名1
- 妙でんす十六利勘 多弁損者
- 史料名1よみ
- みょうでんすじゅうろくりかん たべんそんじゃ
- 史料名Roma1
- myoudensujuurokurikantabensonja
- 絵師・著者名
- 一勇斎 國芳(歌川 国芳)
- Creator
- 落款等備考
- 一勇斎 國芳画
- 板元・製作者
- @
- 制作年和暦
- 天保14年から弘化3年
- 制作年西暦
- 1843-46
- 書誌解題
- 資料名1
- 妙でんす十六利勘 多弁損者
- 資料名2
- 史料名1よみ
- みょうでんすじゅうろくりかん たべんそんじゃ
- 史料名2よみ
- 史料名Roma1
- myoudensujuurokurikantabensonja
- 史料名Roma2
- Title
- Alternative title
- シリーズ名・代表明細
- 妙でんす十六利勘
- 絵師・著者名
- 一勇斎 國芳(歌川 国芳)
- 絵師・著作者名よみ
- くによし (いちゆうさい くによし/うたがわ くによし)
- Creator
- 管理No.
- 00001006
- 管理No.枝番号
- 落款等備考
- 一勇斎 國芳画
- 板元・製作者
- @
- 彫摺師
- 制作年和暦
- 天保14年から弘化3年
- 制作年西暦
- 1843-46
- 制作年月
- 書誌解題
- 判型・形態
- 大判
- 印章の有無
- 名主1 版元
- 印章内容
- 名主:[村(村田)]
- 複製フラグ
- 種別1
- 木版浮世絵
- 種別2
- 錦絵
- 種別3
- 内容1
- 人物画 子ども絵 戯画
- 内容2
- 母子絵 こま絵(多弁損者)
- 内容3
- 母と子(少年)
- テーマ
- 「妙でんす十六利勘」の妙でんは妙典(すぐれた教えを説いた経典)にかけてあり
十六利勘は十六羅漢をもじってある。このこま絵は多弁損者であるが、他に朝寝損者
欲連損者などが登場、本絵に美女のおしゃべりや朝寝が描かれ、それらの行状を
忠告する絵詞が添えられている。
- 具体物
- 国芳は幕末を代表する絵師の一人で、武者絵や戯画、風景画で知られるが、美人画
母子絵にも優れた作品を残している。
これは、仏法を守護する十六羅漢に見立てて、風刺の効いた羅漢名をつくり、絵詞と
美人を配して場面を構成した十六枚の揃物である。こま絵の多弁損者は、多弁つまり
おしゃべり女を戒めるために、舌抜きに使う釘抜きを持っている。本絵の母親は、子も
裁縫もそっちのけで、画面外の人物とおしゃべりの真最中だ。姉様人形や、三番叟の
あやつり人形、物差し、握りばさみが打ち捨てられている。
絵詞には「口はこれ禍ひのかど、多弁はとかく女に多きものにて…。『あいさ、そうさねへ
お隣の娘っ子ももう廿七、八だろうが、今に嫁の口もねへのは大かたろくろく首だろうねへ
』『ほんに……ろくでもねへ顔をしてあのおしろいはさ、いやじやぁねへかねへ』
多弁なる人はうそをつくものゆへに釘抜きをもっていましめたまふなり」、などとある。
- Comments
- 位置づけ
- いきすぎたおしゃべりを戒めたものだが、裁縫、育児と多忙な母の日常生活の一端を
うかがうことができる。
- 讃・画中文字
- 妙でんす十六利勘
くちはこれわざはひのかど、はなはこれわざはひひきまどなり。たべんはとかく女におほきものにて…。
「あいさ、そうさねへ、おとなりのむすめっこももう廿七、八だらうが、いまによめの口もねへのは大かたろくろくびだらうねへ、べちやくちや、 」
「ほんに、そうさねへ、あのまぁおひきずりなことをごらん、女房のくさつたのをみたようふに、そしてろくでもねへかほをしてあのあしろいはさ、いやじやぁねへかねへ。きのふもゆやで見ていれば、ぬかぶくろを九つばかりもつてきてさ、あのまあ、ねこぜのくせにいやだねへ、べちやくちや、
」などとしやべりたがるものなり。
いちごんの事がわざはひのたねとなり、大きなそんのゆく事あり。たべんなる人はうそをつくものゆへにくぎぬきをもつていましめたまふなり。とかくたべんはそんじやとのおしへなり。
しかし、うまいものをたべんはそんじやとおもひちがへて、げびぞうをしてはわるしとのたまふ。
1020
麻疹まじなひ
武州荏原郡(えばらごおり)久方村といふ所に源助といふ百性あり。しがなきくらしの中に男子二人もてり。然るに、此度二人ともに麻疹重くして、既に命にも及ぶほどなりければ、親源助、我命にかへて諸神に子供の平癒せん事を祈る所、ある夜の夢に白髪の髪来りて示(つげ)ていわく。「是は尊(わ)が手剱なり。是をもて両児の惣躰を撫よ」といふかと思へば夢さめぬ。源助希意の思ひをなし、ふと枕辺を見れば、剱のかたちと手の形ちのしるしたる紙あり。源助、則(ただち)に身を清め、是をもて病人の躰(からだ)を撫(な
づ)るに、またゝくうちに熱は覚ぬ。夫より只一日にして、両人とも全く平喩(平癒)なしたりけり。見るもの、聞もの、此写しを乞得て、病人の躰を撫るに、いづれも平喩せずといふ事なし。又、いまだはしかをせざる人の家にはり置時は、一生此病をまぬがるゝとなり。
是を一枚家内へ張置時は麻疹一切入事(いること)なし。亦、病人は忽(たちまち)に治すとなん。
(曲尺に本の字の商標)伊勢庄
耳古拝写
(小泉吉永氏翻刻)
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