哥麿(喜多川 歌麿)
当世好物八景 さわき好:當世好物八景
享和頃 (1801~1804)
資料名1
当世好物八景 さわき好:當世好物八景
史料名1よみ
とうせいこうぶつはっけい 
史料名Roma1
touseikoubutsuhakkeisawagizuki
絵師・著者名
哥麿(喜多川 歌麿)
Creator
落款等備考
哥麿筆
板元・製作者
未詳
制作年和暦
享和頃
制作年西暦
1801~1804
書誌解題
資料名1
当世好物八景 さわき好:當世好物八景
資料名2
史料名1よみ
とうせいこうぶつはっけい 
史料名2よみ
さわぎずき
史料名Roma1
touseikoubutsuhakkeisawagizuki
史料名Roma2
Title
Alternative title
シリーズ名・代表明細
当世好物八景
絵師・著者名
哥麿(喜多川 歌麿)
絵師・著作者名よみ
うたまろ  (きたがわ うたまろ)
Creator
管理No.
00001356
管理No.枝番号
落款等備考
哥麿筆
板元・製作者
未詳
彫摺師
制作年和暦
享和頃
制作年西暦
1801~1804
制作年月
書誌解題
判型・形態
大判
印章の有無
印章内容
複製フラグ
種別1
木版浮世絵
種別2
錦絵
種別3
内容1
子ども絵 人物画
内容2
母子絵 美人絵
内容3
母 子ども(幼児) ぽっぴん
テーマ
当世とは「今どき」とか「当世風」のことで、歌麿はこの揃物には町屋の美人女性を
登場させ、その好物を配している。本図は「さわぎ好」な母と子であるが、他に
「子供好」「はなし好」「さけ好」「出好」などが知られる。子どもがらみのほほえましい
風俗がいくつか見られ、この作品もその一つである。
具体物
髷を結い始めた男の子が鳴らしているのは、まさに当世風のガラス玩具「ぽっぺん」
(ぽぴん)である。オランダ伝承の玩具でビードロともいい、管を吸うとガラスの底が
振動して「ぽっぺんぽっぺん」と鳴る。こう耳元で鳴らされては、母もさすがに耳を
左手でふさいでいるが、さほど迷惑そうな表情でもない。さわぎ好きな母子であり
この珍しい音色に誘われて買い与えたのも母であろう。二人の間には、母の髻
(もとどり)を結んだ元結(もとゆい)の飾り結びが見えている。
さり気ないおしゃれである。
Comments
位置づけ
歌麿ならではの見事な美人画であり母子絵である。当世風のガラス玩具を楽しむ
母子の情景が巧みに表現されている。
讃・画中文字
自由記入欄
「遊びや遊べ展」図録、巻末解説(稲垣進一)にもあるが、「好物」はすきものではなく
「こうぶつ」、幼女は「幼子」ないし「男児」とすべきである。

題は「当世の好物 8つの姿 さわぎ好き」という意味。好物を描いた8枚シリーズの内の
1枚、さわぎ好き。「八」は中国庭湖の名勝瀟湘八景からとった数字である。浮世絵は
ほとんどがこのようにシリーズものとして構成されている。いたずらばかりはさわぎ好き。
幼子が母親の耳元で鳴らすオランダ渡りのガラスのおもちゃ・ほっぴん。口で吹くと
ポッピンポッピンと鳴るという。耳を押さえて顔背ける母親の姿が悩ましく見えるのも
美人画を得意とする哥麿だからだろか。子どもの頭髪は唐子髷の一種で芥子坊
(けしぼう)という髪型。江戸時代には中国の子どもへのヘアーファッションが採り
入れられ、幼いときに頭を剃ると大人になってから太く丈夫な良い髪の毛になると
思われていた。唐子髷はいろいろなスタイルがあり、明治の文明開化で西欧文化が
流入するまで続いた。母親の姿に見るように、この時代の女性の髪型は鬢が燈篭の
ように横に張出した燈篭鬢が流出していた。
史料分類
絵画