「女子教訓狂歌合」の揃物の一枚であるが、他の作品は未見。これは狂歌の通り、まま子であっても我が子同様にいたわり育てることの大切さを呼びかけている。

夏の庭先で母が子に行水をさせる場面は、浮世絵によく描かれているが、これは義理の母子である。中央に大きなたらい、まめまめしく子の体を洗う母。浴衣は蔦模様。子どもの入浴、行水につきものの玩具である手桶と亀も見られる。左手には、本物の手桶にひしゃくが添えてある。

母と子の日常生活の一こまである行水風景と同時に、義理の母子に関する教訓を述べてある。　

女子教訓狂哥合
★真実に我子とおもひいたはらは
まゝ母とおもふまゝ子あらじな
香蝶楼　国貞画
（小泉吉永氏翻刻）