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双筆五十三次川崎 六郷川船渡し
ソウヒツゴジュウサンツギカワサキ ロクゴウカワフネワタシ
作者名
広重・三代 豊国 合作(歌川 広重・三代 歌川 豊国)
作者名ヨミ
ヒロシゲ・3ダイ トヨクニ ガッサク(ウタガワ ヒロシゲ/3ダイ ウタガワ トヨクニ)
代表明細・シリーズ名称
落款等備考
広重画 豊国画
制作者備考
丸屋 久四郎
印章等
版元印 改印 彫竹
印章注記
時代区分
安政元年
西暦
1854
形態
大判
種別1
種別2
種別3
内容1
子ども絵 風景画
内容2
母子絵 道中
内容3
五十三次 麦わら細工 六郷 渡し 帆掛け船 富士山 川崎
追加情報
テーマ
具体物
位置付け
画中の文字・文章
備考
双筆とは二人の絵師による合作で、風景を広重が、人物を豊国三代が担当している。東海道五十三次の風景と風俗をたくみに組み合わせており、品川の次の川崎宿であり、風景は多摩川の六郷(大森)から川崎への川船渡しを描いてある。人物は、大森名物の麦わら細工作りだ。
上部の風景は六郷渡し船場で、多摩川(玉川)を白帆の荷船が上り、渡し船が行き交っている。右手前が六郷(大森)、左岸は川崎で川崎大師や宿場の屋並みが見えている。遠く雲の彼方に富士山も姿を見せている。手前の人物は、大森名物の麦わら細工を作る母と子である。大森で栽培されていた麦のわらに着色し、これを貼りつけて色鮮やかな箱に仕上げて土産物としているところだ。 母は箱にのりをつけながら子どもを振り返っており、子は出来上がった小箱を持っている。作業机の上に素材が並んでおり、母の前にも完成品が置いてある。
この双筆が東海道は風景とともに各地の風俗をよく描写しており、しかも母子の姿がたびたび登場する。振り出しの日本橋をはじめ、平塚、懸川(掛川)も母子が描かれており、公文で所蔵している。
大森名物の麦わら細工は、十返舎一九の「東海道中膝栗毛」にも出ており、「家ごとに売っている」とある。浮世絵では「江戸自慢三十六興 大師河原大森細工」にも麦わら細工が描かれている。
麦わら細工は、麦桿(ばっかん)細工とも呼んだ。現在も、大田区郷土博物館や川崎市麦人の会で麦わら細工の伝統が継承されている。
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