No.9
藤澤紫先生浮世絵と遊ぼう
年末年始浮世絵なぞなぞ

楽しい行事が多い年末年始。今回は浮世絵うきよえの「なぞなぞ」で行く年をふり返り、さらにすてきな一年をむかえましょう!

これは、江戸えど時代に流行した「はん」というクイズです。右上みぎうえから順に、12カ月がユニークな絵で示されています。さて、解けるかな?

なぞときは「だじゃれ」、言葉遊びです。例えば、「しょう」と「だい」と書かれた力士が戦っています。結果、「しょう」が勝ち(しょうがかつ)「正月」と解きます。意外に単純でしょう? ちなみに「大」は大晦日おおみそかのこと。「去年にもまさる良い年になるように」との願いがこめられています。

浮世絵師との知恵ちえ比べ、解けた数だけ福が来そうですね。

江戸時代のクイズ

十二ヶ月じゅうにかげつ見立(歌川芳艶よしつや)安政5年(1858)

大人向け解説

大人気の「遊べる」浮世絵

近年ますます高まる浮世絵人気。それと同時に、浮世絵は貴重で高価なもの、といった印象も強まっているようです。
ところが、江戸庶民の娯楽品として普及した浮世絵版画には、大人と子どもが一緒に楽しめる「遊べる商品」がたくさんありました。中でもクイズ仕立ての「判じ絵」は大人気でした。
ほかにも「すごろく」や「福笑い」といった正月向けの品々や、はさみやのりを使用して立体的に組み上げる「組上げ絵」など、購入者が工夫を凝らして制作する「体験キット」も喜ばれました。
美しい色彩とユニークな絵、そしてほのかに香る江戸のエスプリ。時にはこたつの中でゆっくり、浮世絵の世界に遊んでみたいですね。